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北アルプス・燕岳へのアクセスと日帰り登山記録

7月の3連休の中日、北アルプス燕岳に日帰りで行ってきました。8年前に部活の合宿で行ったきりの山で、かねてから行きたかったのですが遂に行くことができました。

登山口へのアクセス

燕岳は北アルプス登山の玄関口になっていて、常念岳蝶ヶ岳に縦走するルート、槍ヶ岳に抜けるルートがありますが、燕岳のみ登って降りてくるのもポピュラーです。この場合、燕岳頂上近くの燕山荘に泊まるか、日帰りかの選択をすることになります。燕山荘は日本の山小屋の中でも特に評判が高く、ぜひ宿泊したかったのですが日程の都合上断念し、今回は夜行で登山口入りをしてその日のうちに下山することにしました。

燕岳の登山口は中房温泉というところで、早朝に到着するには以下の方法があります。

  • イカーで中房温泉まで行く
  • イカーを麓の駐車場に停め、バスに乗換
  • 毎日あるぺん号で直接中房温泉に行く
  • 穂高駅まで夜行列車ムーンライト信州号を利用し、バスに乗換
  • 穂高駅まで夜行中央高速バスを利用し、バスに乗換

まず、中房温泉の駐車場は台数が限られるため、マイカーを利用する場合は基本的にバスに乗換となります。下山後の疲労を考えて、今回はマイカーはパス。夜行列車か夜行バスに絞りました。

「登山+夜行」といえば、毎日あるぺん号が有名です。

上高地新穂高温泉扇沢など代表的な登山口までの夜行バスです。中房温泉にもバスが出ていて、中房温泉には5:30~6:00頃到着できます。これがベストな選択肢だと思います。ただ、今回は3連休の中日。予約が取れませんでした。

すると、自動的に中房温泉までは穂高駅からの路線バスを利用することになります。路線バスだと穂高駅を5:00に出発、中房温泉に5:55到着です。あとは、穂高駅の出発に間に合う交通手段を探します。

穂高駅までの交通手段は、電車かバス。電車であれば臨時列車のムーンライト信州91号で、新宿23:54→穂高4:54です。バスであれば中央高速バスの夜行で新宿駅23:05→穂高駅4:27です。今回はバスにしてみました。

日本三大急登・合戦尾根に挑む

新宿駅から出発したバスは定刻に穂高駅に到着。路線バスに乗り換えて登山口へ向かいます。マイカーで麓の駐車場に停めても同じバスに乗るのですが、定員制なのでかなり待たなければならないようでした。穂高駅からのアクセスが有利かと思います。

中房温泉からは合戦尾根という尾根を登って燕山荘を目指します。合戦尾根は日本三大急登の一つといわれていて、標高差は1243mあります。燕岳に登るにはこれは避けて通れません。危ない箇所はほとんど無いので、完全に体力勝負です。

合戦小屋の中腹には合戦小屋という山小屋があり(宿泊営業はしていない)、そこまでの間にいくつか休憩場所があります。名前は第一ベンチ、第二ベンチ、第三ベンチ、富士見ベンチです(富士山が見えます)。このうちいくつかで休憩をとって、まずは合戦小屋を目指します。三連休の中日で混雑しているかと思いきや、登り始めてみるとそれほど混んでおらず、快適に登ることができました。

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合戦小屋までの道。日差しはそれほどではないが勾配はとにかくキツい

合戦小屋の定番・スイカ!!

合戦尾根にある合戦小屋の名物は、なんといってもイカです。急勾配を登ってきて水分を欲している身体にはたまりません。1カットがとても大きいのですが、あっという間に食べてしまいました。1カット800円です。

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名物のスイカをパクリ。綺麗だったので他のグループのものを撮影させてもらった

ちなみに、山の上までスイカを運んでくるなんて大変ではないかと思われるかもしれないですが、登山口から合戦小屋までは荷揚げ用のロープウェイがあり、それで運んできています。

森林限界を突破し、頂上へ

合戦小屋を過ぎると日差しを遮っていた木々は少なくなり、ダイレクトに太陽光が降ってきます。代わりに、勾配はやや緩やかになってきます。ここまで来ると疲労が蓄積してきて、もうすぐ頂上だという思いだけが頼りで登ります。

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日差しは強いが、気温は麓より低い。

燕山荘手前の急階段を登りきると、燕山荘に到着。ここに荷物を置いて、身軽になったら頂上へのピストンに出ます。ここから見る槍ヶ岳方面の景色は非常に素晴らしく、今回は天気に恵まれて最高のコンディションでした。また、途中の面白い形をしている岩を見つけるのも楽しいです。

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燕山荘から燕岳方面。緑・白・青のコントラストが登山者を惹きつける

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途中で見つけた奇形な岩。奥に槍ヶ岳を望む

登山道に沿って生えている高山植物を見ながら歩くのも飽きません。燕岳登山は、このピストンのためにあるといっても過言ではないです。

下山後は日帰り温泉に浸かる

ピストンを終えたら荷物を回収し、合戦尾根を下ります。急な下りなので、膝の負担に注意しながらゆっくり下りたほうがよいです。

中房温泉には「湯原の湯」という日帰り温泉があったので、入ってみることにしました。登山道の入口のすぐ脇にあり、油断していると見逃しそうです。

温泉は男女別で、内風呂はなく更衣室とシャワー、露天風呂があるのみの簡素なものです。シャンプー等の備え付けもありました。中は清潔でしたし、泉質もなめらかで素晴らしかったです。中房温泉を通過する際はぜひ。

温泉に浸かって気持ちよくなったところで、路線バスで穂高駅に戻り、大糸線直通の特急で東京に戻りました。日帰り燕岳、やや慌ただしかったですが非常に充実感のある山行になりました。

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大糸線直通のあずさ号。E257系はE351系への置き換えが進んでいる。車販の信玄餅アイスが美味。

最後に、GPSログを貼っておきます。ペースの参考に。