紅葉の谷川岳に登ってきた!
関東を代表する紅葉の名所
曇りや雨が続いていた10月でしたが、先週末は久しぶりにすっきりとした晴れ予報。これはどこかに行かねばという使命感から、谷川岳に行くことを決断しました。今まで行ったことがなく一度は行きたいと思っていたので、この紅葉の時期に行かないという選択肢はありませんでした。
ただ、世の中だいたい考えることは似通っているので、週末の谷川岳は大変な混雑になると予想できました。最も混雑すると言われる紅葉の時期の晴れた週末に、どれだけ混雑を避けて行けるか、綿密な作戦を練って向かいました。
越後湯沢に前泊
マイカーで谷川岳に行く場合は、できるだけ朝早く出発すれば混雑は避けられます。ただ、マイカーだと往復とも運転しなければならないため、登山もするとなると負担が大きく躊躇してしまいます。一方で、公共交通機関のみを使って谷川岳に行くとなると選択肢がかなり狭まってきます。
谷川岳の登山口とロープウェーの駅は上越線の土合駅から徒歩20分ほどのところにあり、水上駅や上毛高原駅からバスも出ています。ただ、東京から順当に行って最も早く到着する乗り継ぎだと混雑は避けられないので、ここは裏をかいて新潟県から南下することにしました。越後湯沢駅周辺に宿泊し、始発の上り列車に乗ることで、土合駅には6:37、登山口には7時前に到着し、ロープウェーの営業開始とほぼ同時に到着することができます。今回は越後湯沢駅から徒歩5分ほどの温泉のある宿に素泊まりし、翌朝早く出発しました。
ロープウェーで一気に登る!
土合駅からロープウェーの土合口駅までは徒歩20分ほど。到着した頃にはすでにチケットを買う長い列ができていました。もっと遅かったら大変なことになっていただろうな…と想像しつつ列に並ぶも、列の進みは速く意外とすぐにチケットを買ってロープウェーに乗ることができました。朝一番はロープウェーに乗るための列は全くできていませんでした。
ロープウェーに乗り込んで見下ろすと、朝日を浴びて色づいた木々がとても綺麗でした。
天神尾根から山頂を目指す
谷川岳山頂を目指すルートとして最もポピュラーなのが、ロープウェーを降りてから天神尾根伝いに進むルート。まずはこのルートで素直に山頂に向かいました。かなり冷え込んでいたこともあり、木がは凍ってツルツルになっている部分があって怖かったです。「魔の山」谷川岳、恐るべしです。初心者向けコースとはいえ途中に岩場もあり、ナメてかかってはいけません。
山頂の1つのトマノ耳まではロープウェイから2時間半程度が目安。山頂が近づくと高い樹木はなくなって徐々に視界が開けてきて、山肌の紅葉が目に入るようになってきます。
山頂からは大絶景
谷川岳の山頂についた頃は雲ひとつない快晴。360度の大パノラマでした。
オキノ耳からは一ノ倉沢もよく見ることができ、特に紅葉が綺麗でした。
オキノ耳からトマノ耳に戻る途中、急に雲の中に入って視界が悪くなるタイミングがありました。この日は天気自体は崩れませんでしたが、山の上はこのようなこともあるので油断できませんね。
下山はスリリングな岩場
山頂からの帰り、本来はまたロープウェーに乗るつもりでしたが、時間的な余裕があったので西黒尾根から足で下山することに。ロープウェーができる前はメインで使われていた登山道ですが、急な岩場・鎖場があり、高度感があってかなりスリリングです。
山頂付近は急な岩場の連続でヒヤヒヤしっぱなし。上りよりも下りが怖いです。1時間ほどスリルに耐えきると、樹林帯に入ってひたすら進んでいきます。この樹林帯はちょうど紅葉が進んでいて気持ちが良かったです。
家に帰るまでが山行です
西黒尾根を駆け下り、土合駅まで徒歩で戻ります。時刻は12:30。まだまだ時間は余裕です。
電車が来るまで少し時間があったので、「日本一のモグラ駅」として有名なこの土合駅のモグラ具合を見ていくことにしました。土合駅の下り線のホームは地下のトンネルの中にあり、地上の改札からはなんと500段近くの階段を下っていかないと到着できません。エスカレータやエレベータはなく、頼れるのは自分の足だけです。登山の後に往復できる自信がなかったので、上から覗いて写真を撮ってみました。今度時間と体力に余裕があるときに階段を登ってみたいです。
なぜこんなことになっているのかというと、以前上越線が単線だったときは地上のホームを使っていたものの、複線化する際にトンネルを掘ったことで地下にホームを設けざるを得なくなったからです。上越線は貨物列車も多く走っている重要な幹線なので、複線化は絶対必要だったのだろうと思います。
土合駅から水上駅までは電車で10分ほど。途中ループ線を通るのが見どころです。ループ線は途中の湯檜曽駅から見ることができました。
水上駅では時間つぶしも兼ねて昼食。駅前のそば屋「くぼ田」で舞茸天ぷらのそばを頂きました。舞茸はみなかみの特産で、サクサクに揚がっていて美味しかったです。
水上駅は最近は高崎駅からSLの運行があり、以前訪問したときと比べて駅が綺麗に整備されていました。ただ駅前はまだまだ寂しい感じがあるので、これから活性化していってほしいところです。
水上駅からは上越線と吾妻線を乗り継ぎ、小野上温泉駅へ。ここで日帰り温泉「さちのゆ」に立ち寄りました。
内風呂と露天風呂、サウナの3点を揃えた入浴施設で、410円ととてもリーズナブル。泉質は弱アルカリ性でお肌すべすべヌルヌルでした。特に露天風呂が開放的で好印象でした。日曜の夕方と一番混む時間帯でしたが、東京の芋洗い状態に比べればまだまだ余裕でした。
わざわざ吾妻線に乗って小野上温泉に行ったのには理由があります。それは、臨時列車「はちおうじやまどり」に乗車するためです。「はちおうじやまどり」は「リゾートやまどり」というゴージャスな車両で運転される全車指定の臨時快速列車で、吾妻線の長野原草津口駅から高崎線・武蔵野線・中央線を経由し八王子駅まで運転されます。乗車券に加えて520円の指定席券を買えば乗車できるので、特急やグリーン車よりもお得感があり、なにより運転日も限られているのでなかなか乗れません。ちょうど日程が合ったのでこの「はちおうじやまどり」に乗って東京まで戻ります。
車内はすべて1+2列のシートで、シートピッチも非常に余裕がありました。新幹線のグリーン車よりも広かったと思います。列車内には小さな子供が遊べるプレイルームや畳のあるブースなどがあり、さらに運転席のすぐ後ろには展望スペースがあって運転士気分になれます。日曜日の夕方、マイカーであれば関越自動車道の地獄の渋滞にハマるところですが電車であればラクラク。群馬方面の外出であればまた活用したいと思いました。
この旅の締めは、立川駅の駅ナカの焼きそばでした。久しぶりに行ったのですが、ここの焼きそばが美味しいのです。
というわけで2日間かけて谷川岳に登って、寄り道しながら帰ってきました。温泉に登山、鉄道に写真撮影と自分の趣味を完全に詰め込んだ、ロマンあるものになったと思っています(笑)
温泉だけを巡る黒部峡谷の旅②:川の中に湧くワイルド過ぎる温泉
川と一体化した天然温泉へ
以前の記事の続きです。
黒部峡谷鉄道の欅平駅から歩きに歩いて、祖母谷温泉と名剣温泉に入浴しました。今回は欅平駅から戻りつつ途中にある温泉を攻略していきます。
欅平駅から2駅の鐘釣駅で下車し、15分ほど歩いて河原に降りていったところにある鐘釣温泉に向かいました。
この温泉は近くにある旅館が日帰り用に日中のみ開放しているもので、無料で利用できます。ただこの温泉、普通の温泉とは全く違うのが、川のすぐそばから温泉湧き出していて、川の水と混ざり合っているところ。河原にいくつか岩で仕切った「浴槽」があり、そこに入浴します。
テントの簡易的な男女別の脱衣所がありますが、お風呂自体は外から丸見えでさすがに裸になるのはハードルが高かったので水着で入浴しました。お湯の温度は川の水がかなり混じっているとはいえ結構温かく、体が温まりました。それ以上に、大自然に囲まれたワイルド過ぎる温泉に一人興奮してしまいました。
お風呂に入らずにただ見に来る観光客の人もいたりするので、できるだけ人がいない時間帯を狙って行くのがよさそうです(幸い、僕が行ったときは貸切状態でした)。
宇奈月温泉の源泉を目指すも…
鐘釣駅に戻ったら再びトロッコ列車に乗り、今度は黒薙(くろなぎ)駅へ。駅からは黒部峡谷ににかかる鉄橋を渡るトロッコ列車がよく見えます。
ただ、黒薙駅にやってきたのはトロッコ列車撮影の為ではなく温泉に入るため。駅から山道を20分ほど歩いたところには黒薙温泉旅館があります。ここは宇奈月温泉の源泉で、江戸末期から歴史のある秘湯の温泉旅館です。
この旅館には川沿いに大きな混浴露天風呂があり日帰り入浴も受け付けています。本当はこれに行きたかったのですが、受付時間終了(15:15)にどう頑張っても間に合わなかったので駅で下車しただけで今回は諦め…。今度北陸に行くときは絶対ここに泊まります。
富山ブランドの宇奈月温泉でシメる
黒薙駅から再度トロッコに乗り込んで、終点の宇奈月温泉駅へ。ここから地鉄電車で富山に戻る前に、宇奈月温泉でも日帰り入浴施設を探してみることに。ただ、宇奈月温泉は宿泊する旅館で温泉に入るのがスタンダードなので、有名な温泉地とはいえ日帰り入浴施設は少ないです。
そんな中、2016年に駅から徒歩すぐのところに「湯めどころ宇奈月」という施設がオープンしました。宇奈月温泉の公衆浴場的な位置づけです。今回はここに立ち寄ってみることにしました。
オープンしたてということもあり施設内のどこをとっても清潔で、デザインもモダンで明るい感じでした。温泉に関しては内風呂と露天風呂に加えていくつか小ネタが用意されていました。訪れた夕方ということもあってかガラガラでした。もし宇奈月温泉を通ることがあっても旅館には宿泊しないというときは(かなり稀なケースでしょうが)、かなりおススメです。
富山湾の寿司を食べて帰るだけ
一日でこれでもかと言うほど温泉には入ったので、あと富山でやり残したことは寿司を食べることだけです。富山の寿司は魚の鮮度が素晴らしいのです。
富山市内には星の数ほど寿司屋がありますが、一人だとわざわざ遠くに行くのも面倒なので富山駅の中に入っているお寿司屋さんで食べることにしました。「すし玉」という回転寿司店で、石川県や富山県で水揚げされた新鮮なネタがウリです。立地が良いこともあり恒常的に混雑していました。おかわりし放題のお味噌汁を飲みながら富山の白エビやホタルイカのお寿司を頂きました。
帰りは新幹線で爆睡。一日でこんなにストイックに温泉を廻ったのは初めてでした。
温泉だけを巡る黒部峡谷の旅①:秘湯の露天風呂とマイ温泉作り
秘湯の宝庫、黒部峡谷へ
昨年の9月末、ふと思い立って黒部峡谷に弾丸で温泉旅に出ました。黒部峡谷には魅力的な秘湯がたくさんあって以前から気になっていて、衝動が抑えきれなくなってしまい夜行バスで富山に一人向かいました。
富山駅に到着したのは朝6:00頃。JR線と富山地鉄を乗り継いで宇奈月温泉駅へ。富山は新幹線ができてから活性化しましたね。
宇奈月温泉からは黒部峡谷鉄道のトロッコ列車に乗り換えます。終点の欅平(けやきだいら)駅までは1時間15分ほどの乗車です。
黒部峡谷の最奥、祖母谷温泉
宇奈月から南下してきた黒部峡谷は欅平から南方、西方、東方の3つに分かれています。南方は「水平歩道」と呼ばれる黒部川第四発電所の建設に使われた非常に険しい登山道を通って阿曽原温泉小屋を経由し、最終的には立山の近くの黒部ダムに到達します。
一方で東方に向かう道は整備されて比較的歩きやすくなっており、今回はこの道を通って祖母谷(ばばだに)温泉に向かいました。
欅平から祖母谷温泉までは緩い上り坂が続き、片道およそ40分かかります。道自体は車も通行できるほど舗装されていますが、途中長いトンネルがあって一人で歩くのは少し怖かったです。ひたすら歩き続けてやや強い硫黄臭を感じ、左手に建物が見えてきたら、そこが祖母谷温泉です。
祖母谷温泉には日帰り入浴できる大きな露天風呂があり、そこでゆっくり温まることができます。険しい山に囲まれた場所で、青空を見上げつつ川の流れる音を聞いて、温泉を堪能できました。ちなみに露天風呂は男女別になっていて、女子の露天風呂はもう少し囲われた感じになっていました。
もちろんこの露天風呂も素晴らしかったのですが、実は先立ってこの温泉が湧いている祖母谷地獄を見に行きました。温泉小屋の少し上流の河原に、超高温の温泉が湧いている場所があります。河原からは湯気がもくもくと湧き上がっており、一目で温泉が湧いていることがわかります。
温泉が湧き出しているスポットにも容易に近づけます。源泉は黒みがかった色をしており、見るからに熱いです。さすがに火傷しそうなので源泉には触りませんでした。83℃もあるそうです。
祖母谷温泉の源泉はいくぶんかは先ほどの温泉小屋に引き込まれていますが、残りは川に流れ込んでいます。すると、河原には非常に熱い源泉と冷たい川の水が交じるところができ、理論上は「ちょうどいい温度」のお湯の場所ができます。観光パンフレットにも「川原の石を使って源泉と川の水をいい感じに配合し、自分だけのお風呂を作ろう!」的なことが書いてあります。先ほどの温泉小屋でスコップを借りて、お風呂をつくることができます。
しかし、実際はそんなにうまくは行きません。そもそも温度が違う水は放っておいてもすぐには混じりませんから、源泉と川の水が同じ場所に流れ込んでいても「触れないほど熱い」か「ひんやり冷たい」のいずれかにしかなりません。いろいろ試してみましたが、重い石をさんざん動かして疲れた挙げ句、足湯程度なら耐えられる熱さの場所ができたくらいで、浸かることができるお風呂は作れる気配がありませんでした。お風呂づくりは少し楽しむ程度にして、温泉に入るのはやはり小屋の露天風呂がいいですね。
川沿いの岩露天風呂が魅力の名剣温泉
祖母谷温泉から欅平駅に戻る途中には名剣(めいけん)温泉があります。こちらはかなり綺麗な温泉旅館で、日本秘湯を守る会にも入っているようでした。こちらにも日帰り入浴で立ち寄ってみました。
峡谷を間近に見下ろす岩露天風呂があり、峡谷が険しいぶん祖母谷温泉よりも自然に包まれている雰囲気です。温泉は祖母谷温泉から引いているので泉質はほぼ同じです。どちらかというとゆっくり宿泊して何回も入りたいタイプの温泉でした。
僕が訪問したときはどちらの温泉にも誰もおらず、ゆっくりと入浴を楽しむことができました。観光のハイシーズンはもう少し混み合うのかもしれません。
わたらせ渓谷鐵道に乗ってきた
鉱山とともに歩んだ鉄道
先日、わたらせ渓谷鐵道に乗車してきました。まだ紅葉には早い時期ですが、なかなか行く機会もないので思い切って行くことにしました。
わたらせ渓谷鐵道はもともと足尾銅山の鉱石を搬出するために1910年代に建設された貨物線ですが、足尾銅山が使われなくなった現在はわたらせ渓谷鐵道として観光を中心に利用されています。群馬県桐生市の桐生駅と栃木県日光市の間藤(まとう)駅の間44.1kmを結んでおり、渡良瀬川の渓谷に沿ってトロッコ列車から渓谷美を楽しむことができます。
JR両毛線で桐生駅に向かい、そこでフリーパスを購入。まずは普通列車に乗って終点の間藤駅を目指しました。小雨が降っていたのと窓ガラスがあったためうまく写真は撮れず、復路に望みをつなぎます。
足尾線の廃線跡を探る
終点の間藤駅から先は、車止めがあり線路が途切れています。しかし実は、国鉄の時代にはこの間藤駅から先にも線路が続いており、貨物列車が運転されていたそうです。乗ってきた列車の折り返し時間の間に間藤駅から少し歩き、その廃線跡を探してみることにしました。
間藤駅から、もともと線路があった方向に北上していきます。5分ほど歩くと、何やら道路が少し盛り上がったところが。なにかあるのかと思って近づいてみると、使われなくなった踏切でした。
この踏切の右側は線路が撤去されてしまっていましたが、左側を見てみるとまだかなり線路が残っていました。
1973年に足尾銅山が閉山した後も1987年までは貨物列車が運転していたそうなので、それから33年が経ったことになります。30年くらいであれば結構そのまま残っているものなんですね。
踏切跡からさらに進むと、かつての足尾本山駅が現れます。非常に大きな建物で、かなり目立ちます。
足尾本山駅は旧足尾線の終点となっていた駅で、工場を兼ねていました。この工場への搬出・搬入を貨物列車で行っていたというわけです。現在は壁も一部剥がれ落ちており、廃墟と化していました。台風などで周辺に板が飛ばされてこないか心配です。
少し坂を登ると駅の中を垣間見える場所があったので、立入禁止でない範囲内でよじ登って撮影しました。駅構内の配線はそのまま残っているほか、腕木式の信号機も存在していることがわかりました。その役割を終えた足尾本山駅ですが、このまま放置されてしまうと価値を失ってしまいそうで心配です。
ところで、間藤駅から足尾本山駅までの間にはいくつか渡良瀬川をまたぐ橋がかかっていて、この橋から見る渓谷は非常に美しかったです。紅葉が綺麗そうです。
足尾銅山を見学
間藤駅に戻り、そこから10分ほど乗車すると通洞(つうどう)駅に到着します。ここから5分ほど歩くと足尾銅山を見学する施設があります。
黄色いトロッコに乗って坑道に進んでいくという体験は他ではなかなかできないと思います。見学自体は30分ほどで十分の内容ですが、見ごたえはありました。人形がリアルだという前評判は本当でした。足尾銅山の坑道の長さをすべて合わせると、1200kmにも及ぶそうです。
この足尾銅山の近くは、食事ができる場所が本当に少なく困るのですが、通洞駅から3分ほどのところにある「川本」という和食(うなぎ)料理店でとり丼をいただくことにしました。うなぎのタレで味付けしてある柔らかい鶏肉がたっぷり載った丼で、山椒をかけるととても美味しかったです。
ちなみに昼食に関してはトロッコ列車では車内販売があるるので、そこでお弁当を買っておくのが一番安全だと思います。
トロッコに乗る!
ここまではずっと普通列車に乗ってきましたが、復路ではトロッコ列車に乗車しました。わたらせ渓谷鐵道のトロッコには「トロッコわっしー号」と「トロッコわたらせ渓谷号」があり、前者は新しい気動車で運転されますが、後者はDE10形ディーゼル機関車で牽引されます。今回乗車したのは後者の「トロッコわたらせ渓谷号」。機関車で牽引するトロッコは雰囲気もバッチリです。なお、トロッコ列車に乗車するためには事前に整理券の購入が必要です。
足尾銅山観光をした通洞駅からしばらくは右側にわたらせ渓谷の絶景を楽しむことができます。トロッコ列車ですから窓はなく、吹き込む風を感じながら存分に風景を見たり写真を撮ったりできます。わたらせ渓谷の特徴として、岩が全体的に丸みを帯びており、水が青色になっていました。水の青色は銅イオンの色なのでしょうか。
沢入(そうり)駅の先で橋を渡り、今度は渓谷が左側になります。沢入駅から次の神戸(ごうど)駅までの間には長さが5,242mもある草木トンネルがあります。このトンネルを抜ける間、トロッコ列車の車内は風が吹き込み大変寒くなります。また当然車窓も無く、ここでは窓のある車両に移動するのが正解ですが、トロッコ車両にはこんな粋な仕掛けがありました。
天井にLED電球のイルミネーションがあり、草木トンネル内でのみ点灯されていました。これで多少寒さも和らぐ…か?
駅隣接の施設で楽しむ
神戸駅構内には東武特急「けごん」の車両が留置されていますが、その車内を利用してご飯を食べられる「清流」というレストランがあります。そば・うどんや定食などのメニューがあるようです。神戸駅にはほとんどの列車が少し長めの停車をするので、停車時間中に見学に行くとよいです。
トロッコ列車は神戸駅を発車すると次は水沼駅に停車します。水沼駅には水沼駅温泉センターがあり、その名の通り日帰り温泉があります。
せっかくなのでトロッコをこの水沼駅で下車し、立ち寄ることにしました。施設のお風呂には内風呂と小さめの露天風呂、そしてサウナと水風呂が用意されており、次の列車が来るまでゆっくりすることができました。わたらせ渓谷鐵道のフリーパスを提示すると20%の割引を受けることができ、これで浮いた分を入浴後のコーヒー牛乳に費やすことができます(浮かなくても費やすのですが)。
水沼駅の温泉に入った後は再び普通列車で相老(あいおい)駅に向かい、東武線の特急に乗り継ぎ帰路につきました。なにしろアクセスが遠いわたらせ渓谷鐵道ですが、他では見られない景観と哀愁をもった独特な鉄道だと感じました。